テキストオブジェクトに式を挿入することで、フィールドの値や4D式への動的参照を追加できます。
フィールド参照や4D式を使用して、データベースの情報と連携する4D Chartドキュメントを作成できます。例えばグラフタイトルとしてフィールドの情報を使用できます。また4D式を使用して数値を計算したり、テキスト情報を連結したりできます。
値または参照として4Dの情報を表示することができます。値とはフィールドに保存された実際のデータ、または式により算出されたデータです。一方参照はフィールド名または式のテキストです。
式やフィールドが参照として表示さると、“<”および“>”という記号で囲まれます。例えば[Stationery Order]テーブルのNameフィールドへの参照は、次のように表示されます:
<[Stationery Order]First Name>
4D Chart は、テキストオブジェクトにフィールドが挿入されると、これらの記号を挿入します。4Dの関数や変数など、他のタイプの参照を挿入する場合は、それらが参照であることを4D Chart に知らせなければなりません。
すると、4D Chart は“<”と“>”の記号を追加し、参照と通常のテキストとを区別します。式の参照に関する詳細は4D式を挿入するを参照してください。
参照を値として表示すると、“<”および“>”の記号は表示されません。例えばNameフィールドの値は、次のように表示されます:
James
フィールド値は標準のテキストとして表示されます。
フィールド参照と4D式は常にカレントレコードを参照し、カレントレコードが変更される度に更新されます。カレントレコードが存在しない場合、値は表示されません。
4D Chart ドキュメントにフィールド参照を挿入することにより、動的な情報をドキュメントへ追加することができます。フィールドが更新されると、4D Chart内の値も更新されます。サブテーブルを除き、データベースのあらゆるテーブルのフィールドを使用することができます。
ピクチャフィールドへの参照を除き、フィールド参照や値はテキストオブジェクト内に表示されます。参照が納められたテキストオブジェクトは、その他のテキストオブジェクトと同じように動作します。例えば、その属性の変更や移動などの操作を行うことができます。
フィールド参照を4D Chart のプラグインウインドウに挿入すると、データベースメニューから値表示を選択した際に表示される値はカレントレコードのフィールドの値になります。現在ロードされているレコードが存在しない場合は、4D Chart のプラグインウインドウ上に値が表示されません。
特定レコードのフィールドに保存された値を表示するには、そのレコードがロードされていることを確認してください。例えば、入力フォームにレコードを表示して、これを確認します。カレントレコードが変更されると、そのフィールドに表示される値が変わります。
フィールド参照を入力フォームの4D Chart エリアに挿入すると、データベースメニューから値表示を選択した際に表示される値はカレントレコードのフィールドの値になります。
4D Chartドキュメントにフィールドをペーストするために2つのツールを使用できます:
- フィールド貼り付けダイアログボックス
- テーブル/フィールドポップアップメニュー
ダイアログボックスを使用して4D Chartドキュメントにフィールド参照をペーストするには:
- 参照を挿入したい場所でマウスボタンをクリックします。
テキストオブジェクト内でクリックする場合、ピクチャフィールドは挿入できません。 - データベースメニューからフィールド貼り付け...を選択します。
フィールド貼り付けダイアログボックスが表示されます。データベースのすべてのテーブルがテーブルドロップダウンリストに一覧表示されます。選択したテーブルの各フィールドがフィールドリストに表示されます。

- フィールド参照するテーブルを「テーブル」ドロップダウンリストから選択します。
選択したテーブルの各フィールドがフィールドリストに表示されます。 - ペーストするフィールドをフィールドリストから選択して、終了をクリックします。
フィールドへの参照がドキュメントのテキストオブジェクトにペーストされます。
ポップアップメニューを使用して4D Chartドキュメントにフィールドを挿入するには:
- フィールドをペーストしたい場所にテキストオブジェクトを作成する。
テキストオブジェクトの作成方法についてはテキストを追加するを参照してください。 - テキストオブジェクト上にアイビームポインタを配置する。
挿入ポインタがテキストオブジェクト内にあることを確認してください。 - フォームと同じテーブルのフィールドを選択するには、上ではAlt キー(Windows)またはOption キー(Macintosh)を押しながらマウスボタンを押す。
作業を行っているテーブルのフィールドのドロップダウンリストが表示されます。プラグインウインドウで作業を行っている場合、このドロップダウンリストにはテーブルとフィールドの両方が表示されます。 - 別のテーブルのフィールドを選択するには、Shift+Alt キー(Windows)またはShift+Option キー(Macintosh)を押しながらマウスボタンを押す。
プラグインウインドウで作業を行っている場合は、Shift キーを押す必要はありません。
4D Chart はデータベースのテーブルに関する階層ポップアップメニューを表示します。各テーブルには、テーブルのフィールドを納めたサブメニューが付属します:

- ィールドを選択する。
選択したフィールドへの参照が、4D Chart ドキュメント内のテキストオブジェクトの挿入ポインタが置かれた場所にペーストされます。
ドロップダウンリストからフィールドを選択した場合、ピクチャーフィールドへの参照をペーストすることはできません。フォーム上で作業を行っている場合、カレントテーブルのフィールドまたはすべてのテーブルのフィールドを表示するドロップダウンリストからフィールドを選択できます。4D Chartプラグインウィンドウで作業している場合、ドロップダウンには常にすべてのテーブルが表示されます。
有効な4D式をドキュメントに挿入することができます。この式としては、4D変数、4D関数、プラグイン関数、値を返すメソッドがあります。
式を使用すると、4D Chart ドキュメントで4D言語のパワーを利用することができます。例えば、計算を実行したり、複数のフィールド情報を連結できるようになります。
次の表は、いくつかの式の例を示しています:
式 | コメント |
vDate | 日付を格納した変数 |
Current date | 4D関数 |
Current date-vDate | 計算を実行するステートメント |
DateCalc | 値を返すメソッド |
次に示す動作のいずれかを実行した場合にのみ、式の値が算出されます:
- ドキュメントを開く。
- データベースメニューから値表示を選択する。
- ドキュメントを印刷する。
4D式を4D Chart ドキュメントに挿入するには:
- 式を配置したい場所にテキストオブジェクトを作成する。
式はテキストにより作成されるため、まず初めにテキストオブジェクトを作成しなければなりません。 - 式のテキストを入力し、それを選択する。
- データベースメニューからデータ参照を選択する。
すると、テキストが“<”と“>”記号で囲まれ、式であることを示します:
<Current date> - 終了したら、「矢印」ツールを選択する。
参照の値を表示するには、データベースメニューから値表示を選択します。
値を表示する際、参照したフィールドに保存された実際の値や、参照した4D式により算出された値を表示することができます。例えば、“<Current date>”という参照の場合、本日の日付が表示されます。
- 値を表示するには、データベースメニューから値表示を選択する。各参照の値が表示されます。選択した参照に関わらず、すべての参照の値が表示されます。
- 参照を表示するには、データベースメニューから参照表示を選択する。各値の参照が表示されます。
動的な参照の値をスタティック(固定)テキストに変更することができます。スタティックテキストは、その値が変わっても更新されません。例えば、4D式である“<Current date>”を使用してグラフの作成日付を表示し、その後で日付をスタティックテキストオブジェクトに変更することができます。現在の日付に関係なく、テキストオブジェクトには常にグラフの作成日付が表示されます。
値をテキストに変更すると、その値にはデータベースへの動的参照が存在しなくなるため、この操作は値の“参照解除”と呼ばれます。値を参照解除してしまうと、それを参照へ戻すことはできません。
フィールド参照や式の値をテキストに変更するには:
- データベースメニューから値表示を選択して、すべての値を表示する。
- 参照解除したい値を含むテキストブロックを選択する。
テキストブロックに複数のフィールドや式が含まれている場合、変更したい値だけを選択します。 - データベースメニューからデータ参照解除を選択する。
値がテキストに変わります。
参照は、それを参照解除することにより、テキストに変更することができます。参照をテキストに変更すると、参照している値ではなく参照の文言が変更されます。例えば、参照“<Current date>”をテキストに変更すると、テキストオブジェクトは次のように表示されます:
Current date
このテキストは4D式を参照しなくなるため、データベースメニューから値表示を選択しても、このテキストは変更されず、現在日付は表示されません。
参照を編集したり、または参照を永久的に標準テキストに変更したい場合もあるかもしれません。参照を編集したい場合は、それを参照解除してから編集し、その後で再び参照に戻さなければなりません。
フィールド参照や式を参照解除するには:
- データベースメニューから参照表示を選択し、すべての参照を表示する。
- 参照解除したい参照を含んでいるテキストブロックを選択する。
テキストブロックに複数のフィールドや式が含まれている場合、変更したい参照だけを選択します。 - データベースメニューからデータ参照解除を選択する。
“<”と“>”記号が取り除かれ、参照がテキストに変わります。
4D Chart 上の数値、日付、時間タイプのあらゆるフィールドや式の値に対して表示フォーマットを使用することができます。例えば、表示フォーマットを使用し、通貨記号やカンマを用いて、金額を表示することができます:
デフォルトフォーマットでのデータ | 表示フォーマット | 表示フォーマットでのデータ |
3400 | $###,##.00 | $3,400.00 |
07/3/4 | Month Date, Year | March 4, 2007 |
参照をフォーマットするには:
- 参照を選択する。
式全体がひとつの値なので、テキストツールで式をクリックして選択することができます。 - データベースメニューからフォーマット...を選択する。
フォーマットダイアログボックスが表示されます:

- 適切なフォーマットをリストから選択する。
フォーマットリストの下にあるテキストボックスにそのフォーマットが表示されます。
必要であれば、「フォーマットテキスト」ボックスで数値フォーマットを編集したり、または新しい数値フォーマットを入力することができます。日付や時間のフォーマットは編集できません。
表示フォーマットに関する詳細はGET LIST ITEM PARAMETERを参照してください。 - 終了をクリックする。
フォーマットは参照の後ろに表示されます。例えば:
«Current date; Abbr.: Month Day, Year»
値表示を選択すると、参照の値がこのフォーマットを使用して表示されます。